沖縄本部町でのダイビング 春編(3~5月)
1.気候と海況について
3月になると沖縄の方言で「ニンガチカジマーイ」という特有の変わるコロコロ変わる気候になります。
※ニンガチカジマーイ・・・旧暦の2月(ニンガチ)に風が回る(カジマーイ)という意味
風向きが安定しないため行けるダイビングポイントは日によって変わりますが、冬よりも水納島など遠いエリアに行ける日が増えてきます。
5月前半には梅雨入りしてしまいますが梅雨の間は割と海は穏やかな日が多く、ゴールデンウィークを過ぎた時期は狙い目の季節でもあります。
水温は3月初めで21度、5月の終わりには24度と上昇をはじめますが、水温が上がるのが遅くなってきている感じがあります。
太陽が出ていれば陸上は暖かくなり、水面休息時間も楽に過ごせるようになってきています
透視度は平均して20mほど。
2.生物について
この時期になるとスズメダイやハナダイの幼魚も出始め、いろいろな魚の幼魚を見ては春を感じてウキウキ気分でダイビングができますね。
水温はそれほど高まってきていないため共生ハゼなどはまだ警戒心が強く、いまいち近寄り切れない感じ。
ベラやハナダイなどは繁殖活動も行い、海の中は徐々に賑やかになってきます。
個人的にはウミウシの種数も個体数も一番多いと感じるのは春の海。
3.ピックアップ生物
アマミスズメダイ幼魚
THE沖縄に春を告げる幼魚といっても過言ではないくらい、この子が出れば冬は終わりと思っている沖縄ダイバーは多いはずです。
毎年最初の1匹を見つけたときの嬉しさったらありません・・・ただ少しするとウジャウジャそこら中にいるので、よっぽどのシチュエーションじゃないと目もくれなくなっちゃうんですけどね。
ハナオコゼ幼魚
普段は浮遊生活をしていてなかなかダイバーが見る機会も少ないハナオコゼが幼魚期のこの時期にだけなぜか着底したり水中ブイのロープに付いたりしていてダイバーを楽しませてくれます。
カエルアンコウと違いほとんどが茶色から黒色の地味な色をしていますが、やはり春を感じさせる代表的な魚です。
シラタマウミコチョウ
この時期限定に本部町内のポイントでも局所的でしか見ることのないウミウシのシラタマウミコチョウ。
米粒くらいのサイズしかありませんが個体数が多いため、この時期このポイントに行ければ高い確率で見ることができます。
ただ時期を外すと全く見ることがなくなる不思議なウミウシです。
クサイロモウミウシ
コテングノハウチワが多く見られるポイントではクサイロモウミウシを見かけます。
ただこのコテングノハウチワ自体の数が減ってきている気がします。
※コテングノハウチワは沖縄県版レッドデータブックの準絶滅危惧種となっているようです。
かなり小さなウミウシなのでローガンズにはかなりの苦行(笑)
ツノザヤウミウシ
沖縄本島周辺では冬場でも見られますが、水納島では5月中旬からがシーズンとなります。
おそらく餌になるコケムシが生える時期がずれているんですね。
他にもミズタマウミウシやコソデウミウシなどコケムシイーターのウミウシを同所で見ることができますよ。
4.ピックアップ観光地
よへなあじさい園
本部町伊豆味にあるよへなあじさい園。
梅雨入り直後の5月中旬くらいから約1か月の間、およそ30種30万輪の紫陽花を見ることができます。
遊歩道が整備されており、傘を差しても歩いて回ることができるので梅雨でも楽しめますよ。
☆その他の季節の特徴は下記のページからご覧ください。